太陽電池モジュールの変換効率とは?モジュールのタイプ等詳しく解説

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太陽光発電の太陽電池モジュールについて見ていくと、「変換効率」が書いてあります。 変換効率とは、太陽光発電の発電性能を示す物です。

また、そもそも太陽電池モジュールとソーラーパネルとは違いがあるのかと言う基本的な疑問を抱えている人もいるでしょう。 今回は、そんな太陽電池モジュールの変換効率について解説します。



1. 1 モジュールの変換効率とは

太陽光発電では、太陽電池モジュールや変換効率という言葉がよく出てきます。これ等の言葉は、太陽光発電を行っている人や詳しい人ならよく分かっているでしょうが、知識のあまりない人ではよく分からないのは当然の事です。そこで、ここではこれ等の基本的な事について押さえていきましょう。

まず、太陽電池モジュールとはいわゆるソーラーパネルの事。次に、変換効率とは太陽光発電の発電性能を表す物である事。また、どの様に変化効率が計算されるのか。

最後に、注意点として基本的には変換効率=モジュール変換効率である事。これ等について解説していきます。

1.1. 太陽電池モジュールとはいわゆるソーラーパネルの事

太陽電池モジュールとは、いわゆるソーラーパネルの事です。違いとしては、ソーラーパネルと言う言葉は現在の様に太陽光発電が行われる前の、初期に呼ばれていた名称になります。しかし、このソーラーパネルと言う名称は現在はメーカー等では呼ばれていません。

実は、太陽熱温水器等の部品の名前としてソーラーパネルと言う物があったようで、間違えたり混同する恐れがあったので名称を太陽電池モジュールに変えたと言う経緯があります。なお、このモジュールとはソフトやハード面での交換可能な部品を指す言葉です。

この他、太陽電池モジュールを表す言葉としては、太陽電池パネルや太陽光パネル等と呼ばれています。

1.2. 変換効率とは太陽光発電の発電性能を表す物

分かっているとは思いますが、今1度どの様に太陽光発電を行うのかその仕組みを少し解説します。簡単に言ってしまうと、太陽から発せられる太陽光の光エネルギーを、太陽電池モジュールによって電気エネルギーに変換するのが太陽光発電です。

そして、この時どのくらいの割合で光エネルギーを電気エネルギーに変換出来たのかを示すのが変換効率です。例えば、変換効率が10%であれば、これは太陽光のうち10%を電気に変換した事を示します。

また、例えば変換効率が10%と15%の太陽電池モジュールを考えると、同じ日照量であっても変換効率の差から5%の分後者のモジュールの方が多く電気を発電出来ます。そのため、この変換効率は太陽光発電の発電性能を表す物として扱われています。

なお、この変換効率にはセル変換効率とモジュール変換効率の2つがあります。詳しくは下で解説します。

セル変換効率

こちらは太陽電池モジュール1枚あたりではなく、モジュールを構成している太陽電池セル一枚あたりの変換効率の事です。よく変換効率の世界記録が出たと話題になるのは、このセル変換効率の事です。

ただし、この太陽光発電ではあまり使いません。と言うのも、セル変換効率はモジュール変換効率と比べて数値が高くなる物ですが、実際に1枚の太陽電池モジュールにした時にはロスが発生するため、数値通りに変換されないので正しい変換効率とは言えません。

そのため、一般的には変換効率とは次のモジュール変換効率を指します。

モジュール変換効率

こちらは、太陽電池モジュールの1平方メートルあたりの変換効率を示す物です。セル変換効率と比べると数値自体は落ちますが、解説した様に変換効率とはモジュール変換効率を指しています。

なお、基本的に太陽光発電では、10~20%の変換効率の太陽電池モジュールが使われています。

1.3. 変化効率の計算方法

変換効率の計算に必要なのは、そのモジュールの最大出力の数値と面積です。変換効率は面積あたりの発電性能であるので、これ等の2つが必要となります。計算式は以下の様になります。

モジュール変換効率(%)=(モジュールの最大出力(W)×100)÷ モジュールの面積(㎡)×1,000(W/㎡)

こちらが計算式になりますが、分かりやすい様に具体的に計算していきましょう。例えば、ある太陽電池モジュールの最大出力が170Wで、面積が1㎡であった場合は以下の様な計算になります。

170 × 100 ÷ 1 ×1,000 = 17,000÷1,000 =17

つまり、この場合は17%の変換効率であると計算出来ます。なお、計算式をよく見てみると最大出力と面積は反比例しているので、最大出力が大きければ変換効率は大きくなり、面積が広くなれば変換効率は下がります。

また、一般的に、変換効率が高ければモジュールの1枚あたりの金額は高くなっています。こちらを加味していくと実際には、設置状況によって価格は高いが変換効率の高いモジュール少なく配置して発電するのか、価格が安い変換効率の低いモジュールを多く配置して発電するのかを考えて太陽電池モジュールを選んでいきます。

この様に太陽電池モジュールの変換効率の計算は、モジュール選びにも影響を与えます。

1.4. 基本的には変換効率=モジュール変換効率である

上でも解説しましたが、変換効率とはモジュール変換効率を意味しています。しかし、業者の中にはこの変換効率をセル変換効率で表示している場合があります。

解説した通り、セル変換効率はモジュール変換効率と比べて数値が高くなるので、そのまま見てしまうと実際の発電性能以上の評価になってしまいます。また、モジュールの価格は変換効率に比例するので、結果として実際にはそれほど性能が高くないモジュールを高い値段で購入してしまうかも知れません。

したがって、必ず表示されている変換効率がモジュール変換効率である事を確認してください。なお、この他パワコン変換効率をのせている場合も考えられますが、こちらはあまり変換効率として差がない物なので、こちらの数値が高いと説明されても意味があまりないので、信用しない方が良いでしょう。


2. 2 太陽光発電はモジュールのタイプで変換効率が異なる

太陽電池モジュールの変換効率についてはよく理解出来たでしょう。しかし、まだ知らなければならない事があります。それは、太陽電池モジュールはタイプによって変換効率が異なると言う事です。

しっかりとした知識を身に付けるためにもこちらを押さえていきましょう。こちらでは、そもそも太陽電池モジュールのタイプとは何であるのかや主流はシリコンタイプである事。ただし、メーカーによって差がある事を解説していきます。

2.1. 太陽電池モジュールのタイプとは素材の違い

太陽電池モジュールのタイプとは素材の違いの事で、実はいくつかのタイプが存在しています。例えば、シリコンを主原料とする「シリコン系」や化合物を薄く塗って作る「化合物系」、パーツに炭素を主原料とする物を多く使っている「有機系」、基盤に塗るだけの「有機無機ハイブリッド系」等の4つがあります。

この中で化合物系は宇宙開発の分野で、有機無機ハイブリッド系は日本の大学で生まれた物で、今開発が進んでいる最中の物です。また、有機系は原材料が安く、製造が簡単なため広く使われています。

そして、今の太陽光発電において、およそ90%のシェアを占めるのが、シリコン系の太陽電池モジュールです。次ではこのシリコン系太陽電池モジュールがどんな種類があり、どの様な変換効率であるのか解説します。

2.2. 主流はシリコンタイプ

現在の太陽光発電で、最も主流となっているのがシリコンを主原料とするシリコンタイプの太陽電池モジュールです。基本的に今よく見る様なモジュールはほとんどこちらでしょう。

ただし、シリコンタイプと言っても、さらに種類が以下の3つに別れています。

  • 単結晶シリコン型
  • 多結晶シリコン型
  • アモルファスシリコン型

また、それぞれ価格や変換効率等に特色があるため、状況に合わせた発電を行うためにも違いを理解しておきましょう。これ等について下で詳しく解説します。

単結晶シリコン型

単結晶シリコン型の変換効率は15%~19%程となっており、変換効率で言えば最も高いのがこの単結晶シリコン型です。なぜ、こんなにも高い変換効率を実現しているのかと言えば、単結晶シリコン型は純度の高いシリコン結晶を使用しており、分子的に見ても規則正しく並んでいるために、変換効率が高くなっています。

そのため、狭い場所に設置する場合には向いている太陽電池モジュールです。しかし、一方で純度で高くなっているために価格も高くなっており、製造の過程で四方の隅をカットするため面積的に損をしてしまうのが欠点です。

多結晶シリコン型

多結晶シリコン型の変換効率は12%~17%程となっており、単結晶シリコン型には劣るのがこちらです。なぜ、単結晶シリコン型と比べると変換効率が低くなるのかと言えば、こちらは単結晶シリコン型を作る過程で出た端材等を利用しているため、単結晶シリコン型よりも分子が規則正しく並んでいないからです。

一方で、端材等のシリコンを利用しているために価格は安くなっています。シリコンタイプの太陽光発電のシェアを見ていくと、多くがこちらです。

こちらの欠点としては、売電収入を考えた場合に単結晶シリコン型よりも変換効率が落ちるので、収益の面で問題があります。

アモルファスシリコン型

アモルファスシリコン型の変換効率は10~12%となっており、3つの中で最も変換効率が低くなっています。なぜ、変換効率が低いのかと言えば、こちらは不純物を含んだシリコンに工夫を施した太陽電池モジュールだからです。

一方で、価格が安かったり、膜厚が薄くても大丈夫なため加工がしやすかったり等とメリットもあります。しかし、やはり変換効率の低さは問題であり、こちらはあまり選ばない方が良いでしょう。

2.3. ただし、メーカーによって差がある

タイプ別のおおよその変換効率は解説した通りですが、実際の変換効率はメーカーによって異なっています。例えば、単結晶シリコン型の変換効率は15%~19%程ですが、実際には20%の太陽電池モジュールも存在します。

したがって、タイプだけではなく、メーカーによって差がある事を理解して見て行きましょう。


3. 3 太陽光発電のモジュール変換効率の進化

太陽光発電で主流であるシリコンタイプが、それぞれがどのくらいの変換効率であるのかは理解出来たでしょう。では、この変換効率がどのくらいの進化遂げたのかについても把握しておきましょう。

まず、開発当初から見るとかなり太陽電池モジュールは進化しています。また、日本は太陽電池モジュールではトップクラスです。ここでは、これ等について解説していきます。

3.1. 開発当初から見るとかなり太陽電池モジュールは進化している

研究レベルのセル変換効率の延びを見ていくと、いかに進化しているのかが分かります。例えば、1970年代の単結晶シリコン型では、14%の変換効率が最高でしたが、現在では25%の変換効率を記録しています。

他にも伸びだけで見ていくと、薄膜アモルファスシリコン型はほぼ0%だったのが、現在では13.6%を記録しています。また、近年では太陽光発電で主流のシリコンタイプだけでなく、化合物系も変換効率を伸ばしており、多結晶シリコン型の記録を抜くと言う事が起こっています。

この様にシリコンタイプやシリコン以外のタイプでも変換効率を伸ばしています。もちろん、こちらはあくまでもセル変換効率の話ですが、セル変換効率が伸びれば当然モジュール変換効率も数値を伸ばしていくので、この結果を受けて太陽光発電が普及しているとも言えるでしょう。

3.2. 日本は太陽電池モジュールではトップクラス

シリコンタイプやシリコン以外の化合物系等の変換効率の最高記録を見ていくと、シリコンタイプでは日本企業がトップを取っている状況です。また、化合物系でもトップクラスの変換効率を記録しています。

この他研究分野では、新しい太陽電池モジュールも日本の大学で発見されて、研究が進められているようです。したがって、全体としても太陽電池モジュールの分野では日本はトップクラスであると言えるでしょう。


4. 4 単に変換効率だけで比較しないように

ここまで、太陽光発電の太陽電池モジュールの変換効率についてよく理解出来たでしょうが、ここで注意してほしい事があります。それは、太陽電池モジュールを選ぶ際に、単に変換効率だけで比較しないようにして欲しいと言う事です。なぜなら、次の様な理由があるからです。

まず、太陽光発電は日照条件にも左右される事。次に、屋根の状況にも注目する必要がある事。また、太陽電池モジュールは経年劣化すると言う事。

最後に、資金を回収する事を考えれば初期投資を抑える事も重要だと言う事。これ等の4つの理由があるため、変換効率のみで選ぶことは止めましょう。

4.1. 太陽光発電は日照条件にも左右される

当然ながらあなたのお住まいの地域によって、1年間にどのくらい日照があるのかは差があります。平均よりも日照がある場合には問題ありませんが、日照が平均よりも無い場合には変換効率だけでなく、モジュールの特性を考えれる必要が出てきます。

したがって、例えばモジュールの太陽光の吸収率が良い物を選ぶ等する必要があります。

4.2. 屋根の状況にも注目する

家庭で太陽光発電を行う場合には、屋根に設置する場合が多いでしょうが、この場合には屋根の形や向きに適した太陽電池モジュールを選ばなくてはなりません。なぜなら、上手く設置しなければ効率的な発電を行えませんし、何かが合った時に補償されない場合があります。

基本的には太陽電池モジュールはオーダーなので、業者に相談してモジュールの形を変えてもらう等お願いしてください。

4.3. 太陽電池モジュールは経年劣化する

基本的に太陽光発電を始めた当初には、メーカーによって公表された太陽電池モジュール変換効率に近い値が出るでしょう。しかし、長く使っていけば当然ながら経年劣化していきます。

したがって、どの程度経年劣化していくのかをあらかじめ計算しておいて、比較的劣化しにくい太陽電池モジュールを選ぶと言うのも考えるべきでしょう。

5. 5 太陽光発電を自宅に設置しよう

ここまで、太陽電池モジュールの変換効率について詳しく解説していました。 まず、モジュールの変換効率とは太陽光発電の発電性能を現す物である事。次に、太陽光発電のモジュールのタイプで変換効率が異なる事。

また、太陽光発電モジュールの変換効率は1970年代と比べると進化している事。最後に、単に変換効率だけで比較しないように、様々な点から太陽電池モジュールを選ぶ事。

これ等の解説した事を理解して、太陽光発電を自宅に設置しましょう。そうすればきっと上手くいくでしょう。