日本の発電量の主流は火力発電|期待される再生可能エネルギー

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日本の発電量はほとんどが海外からの輸入に頼っているため、原子力発電は自国で電力をまかなうためには必要でした。しかし、東日本大震災による被害が大きかったため、原子力発電は減少傾向にあり、火力発電や再生可能エネルギーへと推移しています。日本の発電量を担う電力の種類をみて、日本の発電量を理解しましょう。




1. 日本の発電力 

日本の発電量は、原子力が主導になりつつありましたが、東日本大震災を境に原子力発電は減少し、再生エネルギーや石炭などのエネルギーが利用されるようになってきました。2017年までは、北海道、東北、東京、北陸、中部、関西、中国、四国、九州、沖縄の主要電力会社の電力量のみで計算してきましたが、2018年よりIPP(独立系発電事業者)も含む発電事業者全体も入れることになったため、電力量のパーセンテージが今までと違っています。

日本の電力は、オイルショックのころまでは石油による火力発電が主流でしたが、次第に天然ガスや原子力発電が増えてきました。しかし、経済産業省の「エネルギー白書2018年」によると、2016年には天然ガスが42.1%、石炭が32.3%、石油が9.3%、水力が7.6%、新エネルギーが6.9%となり、原子力発電は2009年以降に減少して2016年にはわずか1.7%となりました。

原子力発電が急激に減少するとともに、天然ガスの供給量が多くなり、再生可能エネルギーも5%以上の伸びを示しています。日本全体の電力量は企業等の節電効果で、2010年が11,494億kWhに対して、2016年は10,436億kWhに減少しています。

2015年のIEAの調査によると、世界全体における電力のエネルギーは、石炭が39.2%、石油が4.1%、天然ガスが22.8%、原子力が10.6%、水力が16.3%、地熱が0.3%、太陽光が1.0%、太陽熱が0%、風力が3.4%、潮力が0%、バイオマスが1.8%、廃棄物が0.4%、その他が0.1%です。

世界全体では石炭と天然ガスで62.0%、日本は石炭と天然ガスで74.4%を占めています。発電エネルギーの変化を見ると、世界全体では石炭が1.4%減少しているのに対し、天然ガスは1.2%増加、太陽光や風力も0.2%増加しています。

世界全体の傾向としては、パリ条約の締結により化石燃料である石炭を減らす動きがありますが、日本は原子力発電が2009年の東日本大震災以降、急激に減少し、天然ガスや石炭などの火力発電量が増加しています。米国やカナダなどの北米は、石油や石炭、さらにシェールガスやシェールオイルの採掘も始まり、電力生産量は米国が約18%、カナダが約21%と資源生産量は世界で上位です。

原子力発電に関しては、日本の東日本大震災での被害以降は、ドイツやベルギー、スイスが期限付きで原子力発電廃止、スペインやフランスも原子力発電を減少させるという考えになってきました。そして、注目されているのが再生可能エネルギーです。

北欧のデンマーク、アイスランド、ノルウェーは土地柄、水が豊富な場所で、100%を水力発電でまかない、原子力発電は行っていません。北欧や西欧は再生可能エネルギーへの転換も積極的に視野に入れています。一方、アジアの中国は石油生産量世界1位で、インドが2位、インドネシアが3位なので、火力発電が主流です。日本や韓国、台湾などの資源輸入国は石炭や天然ガスの火力発電が主流です。

今後、経済大国となった中国やインドは、石炭の火力発電による大気汚染問題があるので、石炭を減らし太陽光発電と風力発電を広げていく計画があります。インドネシアとフィリピンは原子力発電計画を廃止し、再生可能エネルギーの地熱発電を拡大する計画を打ち出しました。

日本は地熱発電の資源量が世界第3位で、今後、太陽光や地熱発電のような再生可能エネルギーが広く利用されるようになる可能性が高いです。


2. クリーンな再生可能エネルギー

再生可能エネルギーとは、太陽光(ソーラー)発電、水力発電、地熱発電、風力発電、バイオマス発電のことです。なぜ再生可能エネルギーが注目を集めているかというと、現在世界でCO2が出る割合は、2010年には305億トンと20年前より25億トンも増えています。

そのため、環境にやさしい再生可能エネルギーの導入が早急に検討されているのです。政府は、2016年には6.9%だった再生可能エネルギーを2030年までに22~24%に引き上げる方針を示しています。資源エネルギー庁の「電力調査統計」によると、2013年には地熱が約0.2%、バイオマスが約2.2%、風力約0.5%、太陽光約0.1%、水力約7.8%です。

日本は石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料のほとんどを輸入しています。現在は、化石燃料の6%しか国内で生産できないのです。今後、日本では自国で生産できる再生可能エネルギーが供給できるように計画されています。

2.1. 水力発電とは

水力発電とは、雨水や雪解け水を貯めて、高いところから低いところへ水が落ちる力で水車を回し、電気を発生させる仕組みです。ダムは水力発電ができる場所で、日本の古くから利用されている発電方法です。水量を調整することで、電気量が増えた時にも対応できます。CO2の発生もないので、クリーンなエネルギーです。

2.2. 風力発電とは

風が吹いて風車が回ると、それが発電機に伝達することで電気を発生させます。風さえふけば発電できるので、クリーンエネルギーとして今後広がっていく可能性があります。

2.3. 地熱発電とは

地面から浸透した雨水が、地下にあるマグマの熱が加わり、蒸気が発生してその蒸気を利用して電気を発生させる仕組みです。日本は火山国なので、地熱発電の資源が豊富でどんな時も発電できる再生可能エネルギーです。

2.4. バイオマス発電とは

一般の廃棄物や下水の汚泥、未使用の木材などをリサイクルして、木質ペレットや低温炭化燃料などにし、それを燃焼させて電気を発生させます。バイオマス燃料が燃焼するときのCO2は、木材の植物から吸収してできたCO2や大気中に存在しているCO2なので、植物の法則と同じ排出と吸収でプラスマイナスゼロになります。

2.5. 太陽光発電とは

パネルを何枚も置いて、太陽を吸収させ、それで電気を発生させる仕組みで、家の屋根につけて、余った電力を電力会社に売ることができます。現在、小さいライトから大きいパネルまで、さまざまなソーラー発電で電力を供給できるものが開発されています。

例えば、ソーラーライトやモバイル充電器、パネルを設置するソーラーパネル、ソーラー電卓、ソーラーカーポート、シースルーソーラーガラス、ソーラーバッテリーなどがあります。

2.6. 再生可能エネルギーの課題

ただ、このようなクリーンな再生可能エネルギーは、期待はされているものの、コストがかかる分発電量の増加率が低いとされています。また、季節や天候により大きく発電量が左右され安定した供給ができません。自宅設置可能の太陽光発電のコストを抑えるには、複数社へ見積もりを出して検討することが大切です。


3. 主要発電力の火力発電

現在、日本の主要電力は火力発電です。火力発電は、日本の発電量の約8割を占めています。世界でも6割以上が火力発電でまかなわれています。火力発電の原料となる化石燃料は、主に石炭と天然ガスで石油も利用されています。

日本で最初の火力発電は、エジソンが開発した火力発電を明治20年に「第2電燈局」として始まりました。直流の発電は遠方まで送電できないため、その後交流に変わり明治30年には「浅草火力発電所」ができました。戦後から、水力発電から火力発電の方が増えて現在は火力発電が主流です。

火力発電の仕組みは、化石燃料を燃焼させ、そこで発生する蒸気の力でタービンを動かして電気を発生する仕組みです。蒸気は、復水器で冷やされて水に戻り、再度ボイラーに送られて、熱して再度蒸気になり、タービンを回すことを繰り返します。

このとき、復水器の蒸気を冷やすために大量の水が必要になるため、海の近くに火力発電所が建設されることが多いです。発電量は化石燃料の量で調節します。火力発電には、汽力発電、内燃発電、ガスタービン発電、コンバイドサイクル発電があります。

3.1. 火力発電の種類

汽力発電

汽力発電とは、火力発電の主となっている発電方法で、重油や天然ガス、石炭を燃焼したときに蒸気が発生します。その蒸気を利用して蒸気タービンを羽を回します。かなり気圧が高い蒸気が発生するのでタービンを回すことができます。タービンについている発電機が動いて発電する仕組みです。汽力発電は600℃以下のやや低温域の熱エネルギーを利用しています。

内燃発電

灯油や軽油、天然ガスなどの燃料を燃やす際にでる化学エネルギー(ディ―ゼルエンジンなど)で内燃機関を発電する方法です。離島などの小規模な発電に利用され、すぐに発電を開始できるので非常用や携行用の電源としても利用されています。

ガスタービン発電

灯油や軽油、天然ガスなどの燃料を燃やしたときにでる燃料ガスでタービンを回して発電する方法で、ガスタービンエンジンとも呼ばれ内燃機関のひとつです。飛行機のジェットエンジンはガスタービンエンジンを利用しています。小型で出力が高く、省スペースで、炭化水素が発生しにくいという特徴を持っています。

すぐに発電することから、災害などの非常時のポンプ駆動用や高速船のウオータージェット推進装置にも使われています。

コンバインドサイクル発電

コンバインドサイクル発電は、ガスタービンと蒸気タービンを利用し、熱エネルギーを使用した発電方法です。圧縮空気の中で燃料を燃やし、ガスを発生させます。すると誇張して発電機を回しガスタービン発電を行います。

その排ガスの余熱を利用し、蒸気タービンを回す汽力発電との組み合わせで47.2%と高い熱効率を得られます。また、停止、運転が比較的早くできるので需要に応じて対応しやすい発電方法です。効率よく発電でき、環境にもいいエネルギーとして注目されています。

コンバインド発電をより性能を良くした発電方法がACC発電です。コンバインドサイクル発電より、さらに省エネで環境によく、熱効率が非常に高い発電方法で、熱効率は54.1%~57.2%まで達しています。ガスタービン入口の温度をさらに高め、1,100℃~1,300℃です。

MACC(More Advanced Combined Cycleの略)発電は、「1,500℃級のコンバインド発電」です。ガスタービン入口の温度をさらに1,500℃まで高温にし、58.6%の熱効率を実現しています。MACCⅡ発電は、ガスタービン入口の燃焼温度を1,600℃まで高めて、熱効率は61%で、この熱効率は世界最高の水準をもっています。

3.2. 日本の火力発電と環境問題

火力発電は、今は化石資源が採掘されていますが、いずれなくなり、掘削できなくなるといわれています。日本は石油や石炭、天然ガスのエネルギー資源が少なく、自給量は2016年でわずか8.3%なので、ほとんどが輸入に頼っています。石油はまだ40年は大丈夫と言われていますが、世界情勢(戦争など)で影響を受けるので、必要量を確保できるとは限りません。

また、化石燃料は燃やすと、CO2をだして環境に悪いという問題もあります。そのため、電力会社は環境問題も考えながらより良い発電方法を取り入れています。燃料とされる石炭は石油より埋蔵量が多く、単価が安いので、現在火力発電で多く利用されています。

その反面、CO2が出やすい燃料です。世界では化石燃料ゼロを目指していますが、日本ではむしろ石炭による電力量は増えています。天然ガスは石油や石炭に比べるとCO2の排出量が少なく、単価は石油より安く石炭より高めです。


4. 低下した原子力発電

東日本大震災の前の2010年には、原子力発電が11.2%でしたが、震災後は減る傾向にあり、2016年には原子力発電はわずか0.8%に減少し、現在の原子力発電の再稼働は5基にとどまっています。2030年に原子力発電は5~7%減少すると、実質のGDPは最大約2.7兆円減少し、国民の一人当たりのGDPは2030年では年間約2.1~2.3万円減少すると言われています。

火力発電が化石燃料を燃やすのに対し、原子力発電はウランを核分裂させて少量の燃料で熱エネルギーを作って水を沸かし、そこで出る蒸気でタービンを回して発電する仕組みです。原子力発電の仕組みの原理は、燃焼が変わるだけで火力発電とほぼ同じです。

4.1. 原子力発電のメリット

日本は資源が乏しいため、電力を安定して供給し、電力コストを削減し、CO2を減らすためにはするためには原子力発電が必要です。原子力発電は、安定した電力供給ができること、他の電力に比べ単価が安い、温室効果ガスがでない、大気汚染物質がでない、使い終わった燃料を再処理して再利用できる、補助金が出るので原子力発電がある地域は経済的に豊かになるなどです。

4.2. 原子力発電のデメリット

原子力発電は、事故が起きれば、広範囲にわたって、人間や動物に多大な被害を及ぼします。また、原子力発電所に近づくこともできなくなるので、故障個所の修復が困難です。放射線をとり扱うので、厳重な管理が必要になります。このような観点から、日本だけでなく世界的に原子力発電を減少させていこうという傾向があります。


5. 日本の発電事情を知ろう

日本では現在、主流となっているのが石炭や天然ガスなどを利用した火力発電です。ただ、化石燃料をほぼ輸入に頼っている日本としては、安価でわずかな燃料で安定して発電できる原子力発電は必要な電力ですが、安全性という面から減少しています。

一方、再生エネルギーに対する期待も大きいです。現在、日本は「安全性」を重視し、「自給率」・「経済効率性の向上」・「環境適合性」を高めるエネルギー政策をとっています。将来、このエネルギー政策を実現をするために、省エネを視野に入れて、再生可能エネルギーを最大限導入し、原子力発電を減少させ、火力発電を効率化できるように推進する方針です。



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