一条工務店の太陽光発電「夢発電」のメリットとデメリットとは

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ハウスメーカーである一条工務店が展開する「夢発電システム(夢発電)」一条工務店のグループ会社が初期費用を立て替えるため、「初期費用0円」をキーワードとして広く展開されています。同社の注文住宅での搭載率は80%を超えるとのこと。

しかし、「初期費用0円」といっても、設置費用全額がローンとして組まれているだけで、返済することは変わりありません。ただ、「夢発電」の場合は、その返済方法に特徴があり、毎月の売電収入から分割で支払うシステムになっています。

多くの人が搭載している「夢発電」ですが、他の太陽光発電システムと比較しながら、どのような人にオススメで、どのような人にはあまりメリットがないのか見ていきましょう。




1. 一条工務店の太陽光発電「夢発電」とは

「夢発電」とは一条工務店の注文住宅に、自社オリジナルの太陽光発電システムを屋根一体型で搭載するシステムです。
一般的な太陽光発電の場合、屋根の上に新たに太陽光パネルを設置しますが、「夢発電」は、太陽光パネルそのものが「屋根」となっています

「夢発電」を搭載するかどうかは施主が選択できますが、一条工務店の注文住宅での搭載率は80%以上を達成しています。太陽光発電搭載率においては、大手住宅メーカーを抑え一条工務店がナンバーワン。また、1件当たりの平均搭載容量は約11.6kWで、太陽光発電の全国平均搭載容量の2倍以上となっています。

屋根一体型ですっきりとした「夢発電」は、2011年「グッドデザイン賞」受賞。また、太陽光発電の普及に貢献したことを評価され、2016年「地球温暖化防止活動環境大臣表彰」を受賞しました。

1.1. 「夢発電システム」の特徴とは

  • 太陽光発電システムは一条工務店グループ会社が生産
    一条工務店の建物規格に合わせられるため、屋根一体型で、屋根の面積を最大限に活かせます。また、屋根全面が利用できるため、10kW以上の大容量パネルが搭載可能。その場合、売電価格が20年間保証。

  • 太陽光発電システムを搭載する場合、初期支出の負担がない
    搭載費用を一条工務店提携金融機関が全額立替え払いするので、建設予算を圧迫しません。住宅ローンで上限まで借りている場合でも、太陽光発電のローンを組むことができます。

  • 売電収入でローン返済する「発電払い」
    設置費用のローンに関しては、入居後の売電収入から支払う仕組み。ですから、月々の返済に関しては、住宅ローンについて考慮するだけでOK。太陽光発電の設置費用が生活費を圧迫することはありません。

2. 「夢発電」の屋根一体型について

すでに触れたように、「夢発電」の最大の特徴は、住宅の屋根が太陽光パネルとなっていること。そのため、通常の太陽光パネルを設置した屋根と比べて、「後付け感」もなく、外観上は非常にすっきりしています。これは、家のデザインを気にかける人にとっては大きなメリットと言えます。

2.1. パネルの耐用年数は20年間

屋根一体型ですので、耐用年数を経過した後の交換工事は、大規模になることが考えられます。

2.2. パネルの保証期間は10年間

10kW以上のパネルの場合は、FIT(固定価格買取制度)で保証される売電価格は20年間ですので、10年を過ぎて故障した場合は実費を払う必要が出てきます。
このあたり、近年ではより耐久性のあるパネルが開発されてきており、20年以上の長期保証を提供するメーカーも増えてきました。
そうしたメーカーと比べると、一条工務店の太陽光発電の保証は今後の改善が期待されるといっていいでしょう。

2.3. アフターサービスは一条工務店で

さらに、「屋根一体型」という特注のパネルを使用しているため、交換やメンテナンスなどのアフターサービスも一条工務店にお願いするしかありません。
その結果、他の安い業者がいても修理をお願いすることができず、コストが割高になる可能性も出てきます。


3. 「夢発電」のソーラーパネルの発電効率について

スタイル的にはすっきりしており、グッドデザイン賞も受賞した「夢発電」ですが、パネルの性能はどうなのでしょうか。詳しく見てみましょう。

一条工務店のホームページによれば、太陽電池モジュールの性能は以下の通りになっています。

型式名 PMV000110 PMV000120 PMV000130 PMV001110
PMV002110
PMV001120
PMV002120
PMV001130
PMV002130
セル種類 薄膜シリコン・タンデム型
出力 110W 120W 130W 110W 120W 130W
モジュール
効率
7.6% 8.3% 9.0% 7.6% 8.3% 9.0%
サイズ
幅×奥行
1400×1100(㎜) 横型:1404×1129(㎜)
縦型:1429×1104(㎜)
重量 29Kg

太陽光パネルの性能としてよく取り上げられるのは、発電効率です。この値が大きいほど、同一サイズでの発電量が大きくなり、性能が高い製品であるといえます。

セルの種類には「単結晶パネル」や「多結晶パネル」、そして「薄膜シリコンパネル」、「化合物系パネル」など、様々なタイプのものがあります。
「夢発電」に用いられている「薄膜シリコンパネル」は、それほど高額なタイプではありません

近年、技術の進歩により、パネルの性能も上がってきており、今では20%を超える変換効率を誇るものも開発されてきました。
しかし、コストパフォーマンスを考えると、住宅用のパネルとしては10%台が主流です。
大手パネルメーカーの製品の発電効率は、単結晶シリコン型で15~20%、化合物系パネルで13%が一般的。それに比べて「夢発電」の発電効率は最大9.0%ですので、標準的な製品と比較しても性能が高いとは言えません


4. 「夢発電」の大容量ソーラーパネルについて

「夢発電」での1件あたりの平均搭載量は11.6kW。全国の太陽光平均積載量は4.5kWですので、「夢発電」を選択している人は、大容量のソーラーパネルを設置していることがわかります。

4.1. 大容量パネル搭載の理由

まず、屋根一体型なので、屋根面積を無駄なく有効活用することができ、大容量パネルを搭載することが可能となっていること。

次に、「発電払い」で支払う太陽光パネル設置費用に関して、一条工務店では「たくさん載せるほど早く支払い終わる」として、大容量パネル搭載を推奨しています。

4.2. 10kW以上の「産業用」太陽光発電のマイナス要因

FITで「住宅用」は10kW未満となっています。10kW以上のものは「産業用」とされていることからもわかるように、11.6kWは相当な大容量だといえるでしょう。

ところで、10kW以上の産業用太陽光発電の場合は、住宅用と比べてマイナス要因がいくつかあり、大容量ソーラーパネルを搭載するメリットは少なくなっています。

10kW以上の売電単価は年々大きく引き下げられている

2012年時点で、10kW以上は40円+税、10kW未満は42円でほぼ同額でした。しかし2018年では10kW以上は18円+税で半額以下となっています。それに対して10kW未満は26円ないし28円となっており、買取金額引き下げの割合が小さくなっています。

ただし、10kW以上の場合と10kW未満の場合はFITでの調達期間がそれぞれ20年間と10年間。10kW以上のほうが長期にわたって保証されています。
しかし、20年間の調達期間であったとしても、売電単価が10kW未満よりも大きく安くなってしまっている現状では、それほどメリットがあるとは言えません

出力制御がある地域では、10kW以上のものを優先して制御対象に

電力の供給量が需要を大きく上回ると、機器の損傷を防ぐため発電設備が自動停止するようになっており、最悪の場合は大規模停電に至ってしまいます。
そこで、太陽光の発電量が増える日中に、需給のバランスが崩れて大規模停電が起こるのを回避するため、電力会社への送電を抑える場合があります。これを「出力制御」といいます

この出力制御は、出力制御がある地域(北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の供給区域)で、一定のルール(優先給電ルール)に則った順番で行われます。
太陽光発電に関していえば、10kW以上のものが優先して行われることになっています。

2018年10月13日、14日の2日間、九州電力で九州本土を対象にした出力制御が行われました。これは、離島を除く本土では国内初でしたが、太陽光発電では10kW以上の事業者だけが対象となりました。


5. 「夢発電」の導入を検討する際は他メーカーでもシュミレーションを

「夢発電」はデザイン的にはすっきりしていますが、「太陽光発電システム」として見た時には、いくつかの課題もあります。

5.1. 十分な発電量は期待できるのか

太陽光発電は、パネルの設置地域、設置角度、周囲の環境(近隣の建物、木、山などの影)による影響を受け、それによって発電効率が大きく変わってきます。
しかも、影のかかる面積と発電量は必ずしも比例しないというデータもあります。
太陽光パネルを設置するのであれば、影の影響をできるだけ受けないようにシステムを組む必要があります。

屋根に影かかかることがない立地条件の場合は、屋根一体型の「夢発電」でも全く問題ありません。しかし、屋根に木や電柱の影がかかる場合は、「屋根置き型」に比べて融通をきかせられないケースが出てきます。

5.2. ソーラーパネルの価格は安いのか

ソーラーパネルの技術は日進月歩で向上し、価格・設置費も年々安くなってきています。2012年には1kWあたりの33万円台だったものが、2018年5月には同23万円と、10万円も価格が低下しています。
FITの調達価格が安くなったとしても、パネル設置の初期費用も安くなっているので、費用回収のために必要な期間はそれほど変わらないという試算もあるほどです。

それでは、「夢発電」の太陽光パネルの1kWあたりの価格はいくらぐらいでしょうか。
一条工務店のホームページによれば、パネルの1kWあたりの単価は以下のようになっています。

容量 単価(1kWあたり)
9.88kW 約32万円
9kW 34万円
8kW 36万円
7kW 38万円
6kW 40万円
5kW 42万円
5kW未満
2.5kW以上
44万円

2018年のソーラーパネルの平均単価である1kWあたり23万円と比べると、「夢発電」は容量約10kWであっても「1kWあたり32万円」とかなり高額であることがわかります。

もちろん、太陽光発電の初期費用はパネル代だけでなく、設置費用などその他の費用も含めたものになりますので、この数値だけ見て単純に高い安いと決めつけることはできません。
しかし、薄膜シリコン系パネルは安値で取り扱われることも多く、中には1kWあたり10万円台のパネルもあることを考えると、「夢発電」のパネル単価は高いと言えるでしょう。

5.3. 他社のサービスにはどのようなものがあるのか

2019年はFIT制度開始からちょうど10年。固定価格での買取制度が終了する世帯契約数が50万件と言われています。この「卒FIT」をにらんで、いろいろな会社で様々なサービスが打ち出されてきました。
電力会社に変わって買取サービスに名乗りを上げる企業も出てきています。

10kW未満の場合は調達期間が10年間ですが、そうした他社のサービスを把握することで、11年目以降でも収益を上げる道が開けてくるでしょう。

5.4. 複数の業者に見積依頼を

家の建築と同じメーカーに太陽光発電システムの導入を依頼することは、安心して任せることができることは間違いありません。
しかし、太陽光発電システムは非常に高額な買い物です。先々のメンテナンス費や20年後(10kW以上)の耐用期間後のことも含めて、他メーカーにもシミュレーションを依頼し、十分な比較検討をすることは、後悔しないためにも大変重要です。

もちろん、料金的なものよりもデザインを優先する人であれば「夢発電」がおすすめです。また、家のローンが上限いっぱいになっている場合も、「夢発電」でしか太陽光パネルは設置できないでしょう。

しかし、少しでも早く初期費用を回収し、収益をあげられるようになりたいと希望するのであれば、複数の業者に見積依頼し、安心して任せることができる別の業者を探してみるとよいでしょう。

優良な業者を見つめるためには、一度の入力で複数の業者に見積依頼をすることができる一括見積査定のヌリカエがおすすめです。

また、住宅建設に際して、太陽光パネルに関して別の設置業者に依頼することで、会社間でのトラブルや気まづくなることを懸念する場合があるかもしれません。そういう時は、住宅のみを先に購入・引き渡しを受けて、太陽光発電は後付けすることも検討してもよいでしょう。




6. 太陽光発電を導入する時は各メーカーの製品を十分に比較検討しよう

太陽光発電システムは安くなってきたといっても、まだまだ高額商品といえます。売電単価が下がってきている昨今では、「設置にかかる費用をいかに抑えるか」ということが投資費用を回収する近道です。

一条工務店で注文住宅を建てたとしても、太陽光発電に関しては、各メーカーの製品を比較検討し、シミュレーションした上で決めていくようにしましょう。
住宅の立地条件や、月平均の消費電力など、様々な条件を考慮したうえで、自分の生活スタイルに合った太陽光発電システムを導入するのが一番です。



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