国税庁が定める太陽光発電システムの「法定耐用年数」を解説

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住宅の屋根に太陽光パネルを置いて発電する、太陽光発電システムをお使いになっているご家庭も多いかと思います。太陽発電で省エネ&節約、更には売電することで利益も得られるため、近年一般の住宅に普及してきたこの太陽光発電システムですが、ご自宅に設置してから何年が経過していますか?そろそろ10年が経過する…というお宅もあるのではないでしょうか。

太陽光発電システムは実際、何年くらい発電に使えるものなのでしょうか。太陽光パネルの寿命などはあるのでしょうか。

太陽光発電システムの法定耐用年数と、経年劣化や自然災害で起こり得ること、メンテナンスの基礎知識とポイントなどをまとめました。




1. 国税庁が定める太陽光発電システムの「法定耐用年数」とは

事業用に使われる機械・設備などは、使用年数に応じて経済的な価値が低下していくと考えられています。例えば普通自動車は6年、事務机・事務いす・キャビネット(金属製のもの)は15年、ソフトウェアは5年、というように資産の種類によって定められており、その年数を経過すると資産価値はゼロになります。

太陽光発電設備は17年となっています。減価償却費の計算方法は定額法と定率法がありますが、どちらも17年後にはゼロになります。

しかし、6年過ぎた車が乗ることができない事はありませんし、逆に、買ったばかりの車でも、事故や故障などがあったら使うことができなくなってしまうことが有りえます。太陽光発電システムの17年という耐用年数は、あくまで資産として計算する時の目安です。

個人が住宅用の太陽光発電設備を自宅に取り付け、発電の余剰分を売電している場合、この設備は売電するための事業用資産に該当しないため、減価償却資産とはなりません。そのため法定耐用年数も適用されません。しかし、出力10kW以上の太陽光発電設備を個人が導入して、集合住宅の屋根等に設置した場合は、100%ではなく、余剰分を売電する場合でも設備は償却資産となり、したがって17年の法定耐用年数が適用されます。


2. 実際の太陽光発電システムの耐用年数はどれくらい?

では、実際の「発電システムの耐用年数」「太陽光発電の寿命」はどれくらいなのでしょうか?

実は、住宅用太陽光発電システムが普及しだしてからまだ30年以上が経過していないため、実際の耐用年数は明確な数字を出すことができません。2018年現在、もっとも古いと言われている住宅用太陽光発電システムは設置後25年程度が経過していますが、まだ問題なく発電をつづけているそうです。住宅用以外ではそれ以上の長期にわたり可動しているものがあります。

数が少なく十分な統計が取れていませんが、現在は平均的に「太陽光発電の耐用年数は20~30年」という考えが浸透しています。国内のメーカーも太陽光パネルにはほぼそれに準じた保証をつけて販売しています。


3. 太陽光発電システムの耐用年数が近づくことで起こり得ること

太陽光発電システムの部品について、耐用年数が関係するの箇所は大きく分けて以下の2つです。

3.1. 太陽光パネル

太陽光発電システムの中心となる部品です。住宅用の太陽光発電システムで一般的なのは、結晶シリコンソーラーパネルです。経年劣化の影響が少ないシリコン結晶が強化ガラスでカバーされており、多少の汚れや衝撃は強化ガラスで守ることができます。一般的には20~30年使うことが可能だとされています。国内のメーカーは一般的に20~25年の発電保証をしています。しかしこれは継続して最大出力を保つのではなく、約80%を発電保証とするものが多いようです。

比較的故障しにくい部品ですが、紫外線による腐食・劣化や、海に近い地域では塩害によって故障しやすくなることがわかっています。塩害は、海中に含まれる塩が、風などに乗って空気中を運ばれることで起こります。金属やコンクリート等を腐食させたり、農作物が被害を受けたりします。塩害のある地域で対策をしていないと、太陽光パネル本体だけでなく、その金属部品などが塩害で傷んでしまいます。

海岸沿いは日差しも強く、遮るものがない立地が多いため太陽光発電にはメリットが多い反面、塩害を考慮した設置を行う必要があると言えます。塩害は海からの距離だけではなく、波の強さや風向きなどにも影響されるため、直接設備が海に面していなくても大きな害になることがあります。各社とも、塩害地域用の設備やモジュールを発売していますので、海からの近さや環境などを考慮して発電設備を選択することで、塩害による劣化をうけにくくなります。

3.2. パワーコンディショナー

もう一つの主要な部品、パワーコンディショナーは、太陽光パネルで発電した電気を家庭用に使える電気に変換するためのものです。冷蔵庫や洗濯機のような一般的な家電製品と同様に、電気が流れて稼働する機器のため、太陽光パネルに比べると寿命が短いといわれており、耐用年数は10~15年とされています。メーカー保証も10年が一般的になっています(最近では、有償で期間を15年や20年に延長できるものもあります)。

しかしやはり構造上、太陽光パネルに比べると故障や不具合が多くなる部品ですので、定期点検やメンテナンスを怠らないようにすることが大切です。パワーコンディショナーの不具合を放置すると、発火→火災につながるリスクもあります。保証があればパーツ交換なども安価になる場合があるため、有償での保証延長を検討しても良いでしょう。


4. 耐用年数による太陽光発電システムの劣化を防ぐためには

年数の経過による、太陽光発電システムの劣化を防ぐための方法をご紹介します。

4.1. パワーコンディショナーのフィルターのメンテナンス

前に述べたように、可動部品を持たない太陽光パネルよりも、電気を通して動作させ変換するパワーコンディショナーの方がより寿命が短く、定期的なメンテナンスが必要です。構造としてはパソコン等と同じく、中にこもった熱を外に放出するためのファン(送風機)がついていて、換気フィルターを通して熱を空気と一緒に逃しています。この換気フィルターが汚れたままで放置されると、熱が効率よく放出できず、故障や、発熱や漏電から火災などにつながってしまいます。エアコンのフィルターを掃除しないと冷房の効率が悪くなるように、定期的なメンテナンスが必要なのです。

パワーコンディショナーと、ソーラーパネルは通常同じメーカーのものをセットで運用する仕組みになっていますので、調子が悪くなったからといって別のメーカーの製品に付け替えるということはできません。

4.2. 太陽光パネルと自然災害

太陽光パネルは構造上、パワーコンディショナーに比べると経年劣化で壊れにくい部品ですが、設置の場所が屋外のため、風災(台風・暴風雨など)や落雷によって破損する可能性があります。施工が基準どおり行われていれば、基準の台風や暴風には耐えうる設計となっていますが、自然災害は必ず避けられるものではありません。また、強風でパネル自体にダメージを受けるだけではなく、周囲の家からの瓦などの落下物でパネルが破損することもあります。

太陽光パネルへの落下物は、すぐに破損につながらなくても、発電量に影響してしまうことがありますので、普段から発電量の推移を見たり、目で確認しておきましょう。一般的な汚れについては、太陽光パネルのガラスコーティングによってだいたいのものは防ぐことができます。また、パネルは傾斜をつけて設置されているので、雪や落ち葉や鳥のフン等であれば自然に雨によって流され、元の状態になります。
※屋根に上る行為は、転倒や落下、また太陽光パネル自体の落下事故に繋がる可能性があるため、自己判断で行わないようにしてください。

自然災害については太陽光発電の自然災害補償があり、各メーカーが個別に用意しています。有償のオプションとなることが多いのですが、自然災害による被害をカバーするには、自然災害補償に加入している太陽光発電の販売会社から購入する必要があります。

保証される災害は以下のとおりです。

  • 火災
  • 落雷
  • 破裂または爆発
  • 風災(台風・暴風雨・豪雨など)
  • ひょう災(ひょう:積乱雲から降る直径5mm以上の氷粒のこと)
  • 雪災(豪雪・雪崩など)
  • 水災(台風、暴風雨、豪雨などによる洪水・融雪洪水・高潮・土砂崩れなど)
  • 建物外部からの物体の落下、飛来、衝突または倒壊

なお、自然災害保証では「地震・津波・噴火」は保証の対象外です。

4.3. 発電量のチェック

太陽光発電システムの不具合をいち早く察知するには、なんと言っても発電量の推移を把握しておくことです。季節や天候によって発電量は上下しますが、あまりにも急激に発電量が下がっている・それが回復しない時は、何かの原因があることが考えられます。保証期間内であれば無償での対応になる場合もありますので、専門の業者に依頼して調査しましょう。

以前の項でも触れましたが、屋根に上がって自分で確認することや、太陽光発電システムの電気部品などに触れる行為は大変危険を伴いますので、自己判断せず、専門の業者に依頼してください。

4.4. メンテナンスの頻度と費用

住宅用の太陽光発電システム(10kW未満)は2017年4月の改正FIT法によって、メンテナンスが義務化されています。メンテナンスを実施しない場合、改正FIT法に基づいた罰則の対象になります。罰則の対象となると、最悪の場合、認定の取り消しで売電できなくなる可能性があります。

メンテナンスの頻度は最低4年に一回(初回は設置後1年目)に、パネル・架台やパワーコンディショナー等を対象に行います。4年に一度は「最低」の基準なので、災害などでリスクが高いと思われる場合は、それより以前にメンテナンスを依頼することもできます。メンテナンスの費用は、設置している場所の足場を作る必要があるか等で変わってきます。設置場所によってはメンテナンスそのものより足場のための費用が高額になる例もあります。

また、太陽光パネルの洗浄は義務のメンテナンスには含まれないので、同時に実施したい場合はその旨依頼するようにしましょう。


5. 太陽光発電システムは耐用年数約20 30年で長期で活用可能!

パワーコンディショナー、特にフィルターのメンテナンスと、自然災害の保証、また、地域に適した設備やモジュールを使った正しい施工によって、太陽光発電システムは約20 30年という長期にわたって活用可能だということがわかりました。

一般的に、現在の太陽光発電システムの建築コスト等と、発電する電力による光熱費の削減・余剰電力の売却で得られるメリットとを差し引きすると、10年以内には利益が出ると予測されます。発電量は立地や気候状況にも左右されますが、20年以上も発電できるのであれば、設備としては十分元が取れることになります。設備の維持としては経年劣化の影響の小さい太陽光パネル本体よりも、それを保定している部品や、パワーコンディショナーのメンテナンスと保証を重視したほうが良いでしょう。また、定められた定期のメンテナンスを怠らないようにしましょう。

2013年に国からの補助金は廃止されましたが、補助金の目的は初期投資額を下げることにあり、廃止の理由の一つは太陽光発電システムが急速な普及したことによる価格の低下(補助金なしでも普及が進む状態になった)です。また、現在でも都道府県や市区町村による補助金制度などが継続しているので、お住まいの自治体によっては更に太陽光発電の導入コストを抑えることが可能です。

10kW未満の太陽光発電設備のシステム設置費用は、2012年から2017年で比較すると、78%程度に下落しているというデータもあります。

5.1. 太陽光発電システムの一括見積もりができる「ナコウド」

太陽光発電システムを長期に利用するには、信頼できる業者にその土地の状況や建物の特徴などを適切に判断した上で施工をお願いすることが大切です。また、10年などの節目では保証の検討も必要です。この機会に、太陽光発電システムの施行数の多い、経験豊富な業者にメンテナンスを依頼してみませんか?

業者選びにはインターネットから複数業者に一括見積もりが可能なナコウドがおすすめです。ご自宅に新しく太陽光発電システムの導入を考えている方、既存の太陽光発電システムのメンテナンスを考えている方は、ぜひ一度ご利用ください。



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