効率の良い太陽電池で賢く稼ごう|種類と選び方のコツを解説

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設置して置いておくだけで発電し、それを電力会社に売電してお金を儲けることが出来る。そのような太陽光発電に魅力を感じ、自宅にも設置して電力を生み出したいと考えている人は、購入の前にしなければならないことがあります。

それは、太陽電池の種類や特性を知ることです。その上で、数種類を比較して検討していくことをおすすめします。ここでは、太陽光発電の中で最も重要なポイントともいえる、太陽電池の効率についてを中心に詳しく解説していきます。購入するならば、より多くの電力を生み出す太陽電池を選びましょう。




1. 太陽電池について

太陽の光から電気が生まれるのはなぜでしょう。まずは、太陽光発電のしくみやその基本的事項を解説していきます。

1.1. 太陽電池が発電するしくみ

太陽光発電システムの中心になっているのが、太陽電池です。この太陽電池は、電池と付いていますが、電力を蓄える機能はありません。太陽の光エネルギ―を直接電力に変換する発電機の役割を果たします。また、太陽電池はエネルギー変換素子とも呼ばれます。素子とは、電気回路などの構成要素で、それ自体の働きが全体の働きに対し重要な意味をもつもの、という意味です。

太陽から降り注ぐ光エネルギーが太陽電池に当たると、光起電力効果(ひかりきでんりょくこうか)と呼ばれる現象が起こります。これは、光が照射されることにより太陽電池を構成している半導体の電子が動き、電気が起こる現象です。なお発電は、太陽光の強さに比例します。

1.2. 変換効率とは

変換効率とは、太陽電池が光エネルギーを電気エネルギ―に変換する時の効率のことです。電気エネルギ光エネルギーで割ると計算ができます。つまり、変換効率は面積当たりの出力のこと。太陽電池1㎡あたり、1kwの光エネルギーを電気エネルギーに変換できるのは何%かを表します。

もちろん数値が高いほど、たくさんの電力を生み出すことができます。2018年11月改定の主要メーカー変換効率の表のよると、トップ3は全てTOSHIBAのもので、変換効率は22.1%、21.3%、20.1%と続きます。ちなみに一般的には、市販されている太陽電池の変換効率は約15%改定~20%といわれています。この数値のアップを目指し、メーカーは研究を重ね続けているのです。

1.3. 素材による分類

太陽電池には非常に多くの種類があります。材料の種類により、「シリコン系」「化合物半導体系」「有機系」「有機無機ハイブリット系」に分類されます。現在もっとも普及しているのは、シリコン系だそうです。なお、シリコン系はさらに「結晶系」と「薄膜系」に分けることができます。

なお半導体とは、一定の電気的物質を備えた物質です。物質には電気を通す「導体」と、電気を通さない「絶縁体」とがあり、半導体はその中間の性質を持った物質です。例えば、エアコンを快適な室温で運転させたり、自動車の安全性を高めるなど、さまざまな分野の機器の制御に重要な役割を果たしています。

歴史が長く、実績にも優れているシリコン系の中の「結晶系」である「結晶シリコン系太陽電池」が現在、世界市場の90%以上をシェアしています。普段目にする太陽光発電は、そのほとんどが結晶シリコン系ということになります。なお、原材料や製造コスト高という課題を解決するために、有機系の材料などを使用した太陽電池の研究も進められています。

1.4. ソーラーパネルとは

ソーラーパネルとは、太陽電池をたくさんつなげたものです。太陽電池の機能を持つ最小単位を「セル」、そのセルを複数つなぎ合わせ、板状にしたものを「モジュール」または「パネル」と呼びます。こちらは屋外で利用できるよう樹脂や強化ガラスなどで保護し、パッケージ化されています。

また、モジュールを並べたものを「アレイ」と呼びます。こちらが、一般家庭の屋根に設置されている形状となります。なお、より効率良く大きな電力を生み出すために、休閑地などの広い土地にたくさんのソーラーパネルを設置して大きな電力を生み出す「メガソーラー」と呼ばれる太陽発電施設も増えています。


2. 太陽電池の種類

次に、素材による分類をより詳しく見ていきましょう。

2.1. 太陽電池の種類と特長

太陽電池は、その中に用いられている材料で分類できます。大まかには「シリコン系」「化合物系」「有機系」の3つに分けることができます。最も広く用いられているのがシリコン系です。歴史が長く、実績にも優れています。

中でも「結晶シリコン系太陽電池」は世界市場の90%以上をシェアするといわれています。結晶シリコン系では、より新しく高性能なものを目指し、構造の工夫や改良における研究が日々続けられています。さらなる進化に期待が高まります。

2.2. シリコン系以外の太陽電池

シリコン系以外の太陽電池として、「化合物系」「有機系」があげられます。化合物半導体系太陽電池に関しては、最近新たな品種が量産され始めており、その販売数を伸ばしています。シリコンを使用せず、発電層を薄い膜状の半導体にすることにより、製造時の消費エネルギーや排出される二酸化炭素を少なくできる特徴があります。

また開発の最中ですが、その実現化が楽しみであるのが有機系です。こちらは原材料や製造コスト高といった課題を解決するために有機系の材料を使用しており、現在、有機薄膜太陽電池や色素増感太陽電池の研究が進められています。


3. 市場のほとんどを占めるシリコン系について

市場のほとんどを占めるシリコン系太陽電池には、「単結晶シリコン電池」「多結晶シリコン電池」「アモルファスシリコン太陽電池」の3種類があります。

3.1. 単結晶シリコン太陽電池

セル(太陽電池本体)全体が1つの結晶になっているのが単結晶です。単結晶シリコン電池は最も歴史のある太陽電池で、一般に普及している太陽電池の中で、最も高い変換率(14~20%)を持っています。現在でも世界中で生産が続けられており、また新商品も単結晶シリコンが主流になっているようです。

メリットとして、変換効率が太陽電池の中で最も高く、少ない面積設置でも多くの発電が期待できることがあげられます。また、古くから製造方法やモジュールの構造に関する研究が続けられてきたことにより、製品としての耐久性や信頼性は非常に優れています。

デメリットは、価格が高めという点です。シリコンの使用量が多く、その原材料である高温で結晶成長させた高純度シリコンウェハーを使用するために、材料コストが高くなること。そしてモジュールを製造する際に、太陽電池セル上に形成された電極を繋ぎ合わせていく必要があるため、製造工程が長くなり製造コストも高くなることが、高価格になる原因です。

3.2. 多結晶シリコン太陽電池

原材料に単結晶シリコンではなく、多結晶シリコンを使用するのが多結晶シリコン太陽電池です。セルの中に、小さなシリコン結晶がいくつも入っています。価格と性能のバランスが良いため、現在に至るまでに最も生産されているといわれています。

メリットは、単結晶型よりもシリコン使用量が少ないために、価格が安い点です。多結晶シリコンは、単結晶シリコンの断片を溶解しその後冷却するというキャスト法を用いて製造されます。この方法は、結晶成長工程が必要な単結晶シリコンと比べて製造コストを安くすることができます。

また、原料となる単結晶シリコンの断片は、単結晶シリコンインゴット(金属塊)の端部などを再利用できることにより、原料コストも安く抑えることができる、これらが安価の理由です。なお価格が安いにも関わらず、単結晶シリコン太陽電池と同等の耐久性と信頼性をもっていることも大きなメリットです。

しかし、結晶粒界における構造欠陥の影響により、単結晶と比べて変換効率が若干低い(15%前後)ことがデメリットといえます。結晶粒界とは、原材料が単結晶シリコンの断片で構成されている多結晶シリコンの、単結晶と単結晶の接する個所、その接合面のことです。ゆえに単結晶よりも発電量が見劣りします。

3.3. アモルファスシリコン太陽電池

こちらは、高価なシリコンをなるべく節約するため、シリコン層を可能な限り薄くした薄型シリコンです。シリコンの結晶構造だけではなく、太陽電池としての構造も結晶系シリコン電池とは異なっています。結晶系シリコンと比べると、1/10~1/100の厚さです。この点も、原材料コストの面では有利です。

メリットは、薄膜化による材料の使用量の削減と、材料の製造コストが低いことにより低価格が可能になった点です。また、結晶系シリコンと比べてエネルギーギャップが大きく、光吸収係数が高いところも特長です。高温時の発電量低下が少ない点もメリットといえるでしょう。

ちなみにエネルギーギャップとは、電子に占有された最も高いエネルギーバンドの頂上から、最も低い空のバンドの底までの間のエネルギーの差のことです。電気伝導などいろいろな物性に特徴を与えています。 

なお、自由に曲げることのできるフレキシブルな太陽電池を作ることが可能という利点も持っています。しかしコスト面では多くの長所を持っているものの、構造上その内部に多くの欠陥があることなどにより変換効率がかなり劣ります(6~9%)。ゆえに発電量が少なくなります。また、のちに安定はするのですが、初期劣化による出力の低下もデメリットの1つです。

4. 化合物系太陽電池について

シリコン以外の物質を混ぜ合わせて作られる太陽電池を化学物系太陽電池と呼びます。化学物系太陽電池は、一般的に光の吸収が高く、太陽電池の薄膜化が可能である特徴を持っています。

4.1. 化学物系太陽電池の種類

銅とインジウム、セレンを原料とするCIS太陽電池と、それにガリウムを加えたCIGS太陽電池、テルル化カドミウムを使用したカドミウムテルル(CaTe)太陽電池などがあります。

CIS太陽電池

㈱ソーラーフロンティアにおいて代表的な製品であるCISは低コストで、変換効率も12%程度と比較的良好です。シリコン系と比べても光吸収率が高く、薄膜化が容易であり、同じ厚さであれば100倍程の吸収率を持っています。また、夏季の高温条件下でも出力低下が小さく、年間を通した発電量が多い特徴があります。

CIGS太陽電池

省資源でなおかつ多結晶シリコンに近い性能が出せます。量産性やデザイン性に優れ、価格を下げる余地も大きいです。また、CIS太陽電池よりもより効率的に電力を生み出し、CIS半導体と比べて太陽光エネルギーの吸収性が高い長所があります。

CdTe太陽電池

毒物のカドミウムを主原料としている欠点があるものの、製造時に使うエネルギ―が少なく、実際のところは環境性能に優れている太陽電池です。日本では販売されていませんが、価格が安く、欧米などでは大規模発電所に利用され始めています。   

4.2. 化学物系太陽電池のメリットとデメリット  

化学物系太陽電池は、シリコンを使わず発電層を薄い膜状の半導体とすることにより、製造時の消費エネルギーや排出される二酸化炭素の削減が可能である特徴があります。またメリットとしては、高温や影がかかる天候でも、発電量の低下が少なく安定した発電量が期待できる点があげられます。

また、製造に必要な資源も少なく量産に向いているため、今後低コスト化の期待値は大です。しかしながら、シリコン系に比べるとやはり発電効率が低くなります。さらに原材料に毒性の高いカドミウムや、希少金属であるレアメタル、テルルを含んでいることがデメリットとしてあげられます。 


5. 低コストの有機系

シリコンなどの無機物を使用せず、有機物を用いている太陽電池です。次世代型太陽光発電システムの本命の1つとされていますが、実用化は少し先になりそうです。有機系には、色素増感太陽電地と有機薄膜太陽電池の2種類があります。

5.1. 色素増感太陽電地

光を吸収する色素と、イオンが移動する電解質の層を持つ、変わり種の太陽電池です。製造が容易でカラフルなものが作れるという特徴があります。また量産した際の、価格の下げ幅が大きいと期待されています。今のところは寿命と変換効率(約10%)が課題ですが、もうすぐ実現化できそうな水準まで開発が進んでいます。

5.2. 有機薄膜(半導体)太陽電池

今世紀に入ってから開発が本格化した太陽電池で、有機物を含んだ個体の半導体薄膜を使用します。常温で塗布するだけで製造ができ、カラフルで軽量なものも作れる太陽電池です。寿命と変換効率(3~5%程度)の向上が課題ですが、屋内用のインテリアやおもちゃなどから実用化が始まる見込みです。

5.3. 有機系太陽電池のメリットとデメリット

現在使用されている太陽電池は、原料はシリコンなどの無機質を利用しています。そのために製造工程の中である程度高い温度にする必要や、真空装置を使う必要が生じたりします。しかし常温かつ常圧の製造が可能になれば安価に量産できるので、その分のコストダウンが可能になります。それを可能にするのが、現在開発中の有機系の太陽電池です。

また、軽量でさまざまな形にフレキシブルに変化できる点もメリットとしてあげられます。布のように折り曲げたりすることが可能なので、丸みのある屋根の形状に合わせて張り付けることができます。

しかし現状では、上記いずれの太陽電池も変換効率がまだまだ低いというデメリットが生じています。また耐久性の低さも課題です。ゆえに耐久性をあまり必要としない用途から実用化を始める必要があります。そして今後の研究により性能が向上するにつれて、市場での大きなシェア率を持つようになるであろうと考えられています。


6. 塗るだけで発電できるペロブスカイト太陽電池

「ペロブスカイト」という結晶構造を持つ、日本発の新型太陽電池が世界の研究者から注目されています。壁などに塗るだけで太陽光発電が可能になるこちらは、開発からわずか5年でエネルギー変換効率が5倍に増え、現在主流のシリコン系太陽電池に近づきつつあります。

6.1. ペロブスカイト太陽電池のメリット

塗布(スピンコート)技術により、また低温で容易に作れることができるため、製造コストの抑制が可能です。ゆえに、現在主流のシリコン系太陽電池に比べて格段に安く作れます。さらに色もカラフルで柔軟、フレキシブルで軽量な太陽電池が実現でき、その応用範囲が広がりそうです。

例えば、家の屋根にペロブスカイト太陽電池を塗ることにより、どこでも簡易に発電できるようになります。また、屋根だけでなく窓や外壁に組み込んだり、曲面である車の塗装に使用するなどというアイデアも出ているそうです。シリコン系太陽電池では設置することが困難なところにも対応できるというメリットは大きいです。

6.2. そのデメリットとは

ただ、非常に劣化が早く耐久性にも乏しい、微量に含まれている鉛を永久に封じ込める、大型化するなどの開発課題を抱えていることは確かです。メリットとデメリットを見合わせると課題が募り、現在もまだ研究段階であるペロブスカイト太陽電池ですが、今後の太陽光発電システムに大きな貢献をしてくれるものだといえます。


7. 太陽電池を選ぶ際は素材や効率性以外の特性についてもきちんと調べよう

太陽電池を選ぶ際には、その素材や効率性をはじめ、その他の特性についてもしっかりと調べるべきです。例えば、電池の大きさや出力、色、形、耐雪や塩害における耐久性などが当てはまります。国内メーカーか海外メーカーかの違いも選ぶ基準になってきます。

また設置を依頼する業者により、システム総額や工事代金、また割引金額などが違ってきます。複数の業者からの見積もりを比較検討し、失敗のないよう最適な選択をしましょう。業者選びには一括見積サイトのナコウドがおすすめです。複数の優良業者を紹介してくれます。



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